『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』を読んだ

Dec 27, 2020 23:45 · 3020 words · 7 minute read 読んだ本

目次

はじめに

『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』を読んだ。

普段ブログに書くときは、誰かしらターゲットを設定して、「ターゲットにどんな行動を起こしてほしいのか?」を決めてから書いている。

今回はいつもとは違って、思うままに、自然な自分の文体で書いてみようと思う。

きっかけはこちらのブログ記事。

書評家、冬木糸一さんが語る「泥臭く」ブログを書き続けたい人のためのブログ指南


僕も、いまだに油断するとすぐに、自分の実感から離れた、何か賢そうなことをいってそうな文章を書こうとしてしまう。が、そのたびに「馬鹿野郎、そんな高尚な文章が書ける人間じゃねえだろうが」と自分に悪態をつきながら全部消して、より自分らしい形に書き直している。
(上記記事より一部抜粋)


冬木さんは、誰のためでもなく自分のために文章を書く。自分の楽しみや喜びのためにブログを書いているらしい。そして、自分のために書くので不必要に格好をつけることもなく、ありのままの文章を書く。

この文章を読んで、普段自分が書いている文章を振り返ってみた。

ブログは誰かに向けて書いているので、「〜です」「〜ます」など文体を整え、だいぶ丁寧な物言いをしているつもりでいる。そして、人に見られることを意識することで、どこかしら格好をつけた文章になっているのではないかという気がした。

ということで、今回の記事は普段自分がメモで書いているような文体でそのまま書いてみている。

前段だけですっかり長くなってしまった。

この本について

この本は、普段意識していないが行動に影響を与えている人間の脳の特性について説明している。人間の脳はとてもよくできていて、過多な情報は適当に流すし、過度なストレスは上手に回避する。

しかしその結果、現実との矛盾が生じてしまうわけで、脳は記憶を操作することで現実との矛盾を見事に解消する。

この記憶の操作は無意識に行われているので、記憶の持ち主本人ですら記憶が操作されていることに気づかない。

本書ではこのような記憶や判断を操作する脳の特性を知り、その特性を活用する方法について説明している。

この本の著者は忌憚の無い内容にするために自身の素性を隠しているが、IT系の会社の偉いさんらしい(※)。そのため、PV(Page View)やCVR(Conversion Rate)が例として使われている。一応私もIT系の会社の社員をしているので、スムーズに内容が入ってきた。

※後日訂正
IT系の会社の偉いさんではなく、元プログラマで、現経営者のようです。
詳しくはこちら

もし爆速プログラマーが大企業経営者になったら

本書で面白かった内容/気になった内容

この本で面白いと思った内容を書いてみる。

ハロー効果

自分では、「自分は先入観なく人を判断している」と思っても実はそうではない。容姿がいい人は他の面でも優れていると思われるし、容姿以外の能力においても何かしら秀でている人は他の面でも優れていると勘違いされる。これがハロー効果。

例として挙げられていたのは、政治家と選挙。選挙をする際に、有権者は「私は容姿で選んでいるわけではない」と考えていたとしても、実際には容姿が優れている人は他の面も優れているとみなされて投票が多くなる傾向があったらしい。
タチが悪いのは、投票した有権者が「私は容姿で投票先を決めたわけではない」というのを疑っていないこと。ここに思考の死角に住む悪魔の力が潜んでいる。

ハロー効果によって、結果的に実力にも差が生じる。
本来同じ能力のAさんとBさんがいて、Aさんの方がハロー効果において優位性があったとする。すると、Aさんは将来有望な人材として良い先輩の教育を受け、良い仕事を受け持つことになる。そのまま月日が経過すると、Aさんの方が優れた経験と能力を持つことになる。

この差はAさんとBさんの能力が逆転するくらいのインパクトを持っている。
Aさんは魅力的な経験を持っているが実力はそこまでではない。Bさんは経験こそパッとしないが、実力がある人材だとする。
Aさんは恵まれた環境と経験の中で実力をつけるのに対して、Bさんは地味で成長性の乏しい仕事を続ける。そのような生活をしているうちに、実力さえも逆転してしまう。

情報の欠如と直感の判断

  • 大腸がんの人の98%はこの検査で陽性になる。
  • 大腸がんじゃない人の2%はこの検査で陽性になる

という検査があったとする。

この検査で陽性になったあなたは、自分がガンである確率は高いと思うだろうか?それとも低いと思うだろうか?

実際のところは、ガンである確率は低い。ガンの患者は、日本の人口の数%。その数%の中の98%が検査で陽性となる。つまり、健康な大多数の人数も含めて考えると、ガンである確率は低いということができる。

本来は健康な人とガンの人の人数も含めて判断をしなければならないが、人間は自分の想像できる情報だけで判断してしまうし、本来判断に必要な情報が欠落していたとしても気づかない。

デフォルト効果

人間は難しい判断を避ける。そのため、難しい判断を必要とする選択肢の場合、最初から選ばれている方が選択される傾向にある。

例として挙げられていたのは、臓器移植の意思表示。諸外国の事例で「提供を希望する」「提供を希望しない」の初期選択肢が異なった場合に、初期選択肢の方が多く選択される傾向があった。

錯覚資産と成長のループ

錯覚資産があると有益な話が持ちかけられる。有益な話は良い経験に繋がり、良い経験から成長ができて成果がでる。成果がでることで更に錯覚資産が積み上がる。という具合に、錯覚資産で成長のループが回る。

錯覚資産のループと自己努力のループを比較した場合、自己研鑽による努力よりも錯覚資産という要素の方が重要になる。

錯覚資産とは?

成果(できれば見えやすいものが良い)とそれをアピールすることによって生まれる。「こいつはできるやつ」と思われること。

転職活動と錯覚資産

転職活動をする場合、わかりやすい肩書や成果が錯覚資産として使える。能力が同じでも、肩書が違うだけで結果に差が生まれる。

また、PVとCVRのバランスを計画して行動する必要がある。他の人と比較してCVRが1/10だったとしても、100倍のPVがあればより大きなチャンスを掴むことができる。

最後に

非常に面白い思考体験ができる本だった。これからの自分の思考や選択に間違いなく影響を与えると思う。
というよりも既に影響を与えている。
とても小さなことだし、成功とは関係も無いかもしれないが、「試行回数を増やす」ということでこの記事の文体を変えてみたのが、それ。
本書で語っている「試行」とは別種のものではあるけども、早速試行をしてみたくなった。

人間の習性を上手く利用して、良い人生を送るために知っておいて損はない内容です。
気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。

tweet Share