電動キックボードでMaaS(Mobility as a Service)を体験した
Feb 26, 2023 23:30 · 2930 words · 6 minute read
福岡の「海の中道海浜公園」で電動キックボードのレンタルサービスを使ってきました。
電動キックボード | 総合案内 | 周遊の楽しみ方 | 海の中道海浜公園 | 福岡市東区にある自然豊かな国営公園 (uminaka-park.jp)
電動キックボードで13kmほど駆け抜けてきました🛵💨 pic.twitter.com/wdLVbYoYOH
— kapiecii / かしい (@kapiecii) February 25, 2023
MaaS(Mobility as a Service)と呼ばれるサービスをはじめて使ったので、今回使ったサービスの利用方法や感じた点をまとめて残しておこうと思います。
- MaaSカオスマップ2021年度版を公開!計158のMaaS系サービスを掲載「コロナ対策」「サブスクリプション」が増加傾向|ボールドライト株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
- 国土交通省日本版MaaSの推進 (mlit.go.jp)
目次
今回使ったサービスは「mobby」
今回は福岡の「海の中道海浜公園」に導入されている電動キックボードのシェアサービス「mobby」を利用しました。
電動キックボードのシェアサービス「mobby(モビー)」 (mobbyride.jp)
競合サービスで有名なのはLUUPでしょうか。
LUUP(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ
LUUPとmobbyの違い
使い勝手の観点でLUUPとmobbyの違いは、
「専用のスマホアプリを使うか、それともLIFFアプリ(LINEアプリ)を使うか」
という点だと感じました。
LUUPの場合はスマホアプリをGoogle PlayやApp Storeからインストールしますが、mobbyはLINEで専用アカウントと友達になるだけで使えます。
mobbyの使い方
mobbyの使い方はこちら。
mobbyについて | 電動キックボードのシェアサービス「mobby(モビー)」 (mobbyride.jp)
LIFFアプリ(LINEアプリ)の仕様
LIFFアプリはあまり使ったことがなかったのですが、LIFFアプリでもBlutooth接続や位置情報取得、決済機能が使えるのですね。 これらが使えるとかなり色々なことができそうです。
ストアから取得する一般的なスマホアプリと比べて、開発運用の費用を抑えながらクロスプラットフォームで動作するアプリを提供できそうだと感じました。
公式ドキュメントはこちら
- LIFFアプリを開発する | LINE Developers
- LIFF v2 APIリファレンス | LINE Developers
- 位置情報の自動取得方法について - [LINE Messaging API, LIFF-LINE Front-end Framework] | LINE developers community (line-community.me)
- LINEミニアプリの仕様 | LINE Developers
- カスタム機能 | LINE Developers
- 決済システムを利用する | LINE Developers
ただ、LIFFアプリの場合はいくつか気になる点もあります。
1番気になるのはLINEアプリをスマホで使っていることが前提になる点です。LINEを使っていない人はサービスの対象から外れます。
「LINEのシェアってどれくらいなの?」ということで調べたところ、2022年9月時点のLINEの利用率は92.5%。 電動キックボードを使いそうな世代に限定すると利用率は95%を超えます。 というわけで、「サービス提供対象がLINEユーザーに限られること」はそれほど気にする必要はないのかもしれません。
【2022年9月更新版】SNSの年代別、利用数・利用率や目的を徹底比較! | GROVE|SNSマーケティング・インフルエンサーマーケティングで売り上げるための情報メディア
(元データは総務省の「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」)
続いて気になるのは決済時のユーザー体験です。
LINE Payで決済する場合は、LIFFアプリから直接決済可能です。
LINE Pay以外の場合は、一般的なWebアプリで実装するのと同じ要領で決済機能を実装するようです。
公式ドキュメントには、
「なお、外部のドメインや外部のアプリで決済を完了した後、ユーザーがLINEミニアプリのページに戻るようにしてください。」
という注意書きがありました。
LINE Pay以外の決済手段を使う場合は、ユーザー体験を損なわない配慮が必要かもしれません。
良かったところ、面白かったところ
実際にサービスを利用して感じた、良かったところと面白かったところです。
坂道でもスイスイ
電動なので坂道もスイスイ登れます。 自分でペダルを漕ぐ電動アシスト付きの自転車よりも楽です。
運転が簡単
自転車に乗れる人であれば、誰でも運転できるくらい簡単でした。 乗るための練習や講習はほぼ不要ではないでしょうか。
走行記録をスマホで確認できる
LIFFアプリ(LINEアプリ)で走行記録を確認できます。 自分の走った道を後で見返せるのは楽しいですね。 自転車ガチ勢が使うサイクルコンピューターの楽しさが少しわかりました。
【2022年】サイクルコンピューターのおすすめ14選 走行管理の便利アイテム | ビックカメラ.com (biccamera.com)
LINEで友達登録するだけで使える
今回使ったmobbyは専用アプリのインストールが不要です。 LINEで専用アカウントを友達に追加後、電動キックボードとペアリングするだけで設定が終わります。
「専用アプリをインストール→会員登録→決済情報登録」のフローを省略してサッと使い始められるのは良いユーザー体験でした。
課題に感じたところ
続いて課題に感じたところ、「もっとこうなったらいいのに」と感じたところです。
段差に弱いので、街中で使うのは厳しいかも
タイヤが固い&径が小さいので段差に弱いです。 今回はサイクリング用に整備された道で乗りましたが、それでも場所によってはかなりの振動を感じました。 街中では段差でバランスを崩し、転倒する人もいるかもしれません。
子供用のサイズもあればいいのに
乗車中にすれ違った子どもたちが「いいなー」「あれに乗りたい」「でも身長が足りないから乗れない」と話していました。 スピードが遅いので、「公道以外の管理されたエリア限定で子供用もあるといいのにな」と思いました。
公道(車道)を走るのは怖そう
mobbyは安全への配慮から速度制限があります。 公園内で走る場合も公道(車道)で走る場合も、速度の上限は15km/hのようです。
福岡のまちに電動キックボードのシェアリングサービスが上陸! | RKBオンライン
これはかなりゆっくりなスピードなので、車道を走るのは怖そうだなと感じました。 車体が軽く、車との速度差も大きいので、隣を走る車の起こす風に煽られそうです。
最後に
初めての電動キックボードはかなり楽しい体験でした。
ただし、段差に弱いので街中の移動手段としては自転車の方が優れているかもしれません。
今回のように、整備された道路がある広い敷地内を移動するにはピッタリだと感じました。
公園だけでなく、ディズニーランドのような広い遊園地に置くのも良さそうですね。
LIFFアプリを使ったのも良い経験でした。 Bluetoothや位置情報の利用など色々できそうなので、試しに何か作ってみるのも面白そうですね。