ChatGPTで英語日記を使った英語学習を加速する
Apr 16, 2023 18:00 · 3717 words · 8 minute read
以前から気になっていた「英語日記BOY」を読みました。
「この手法にChatGPTを組み合わせたら、更に英語学習を加速できるのでは?」と感じたので、英語日記にChatGPTを組み合わせる方法について書いてみます。
目次
英語日記とは?
その名の通り、「英語で日記を書く」英語学習法です。
あなたにとって「英語が話せる」とは、どんな状態でしょうか?
英語日記では、あなたの日常の経験や感情を英語でスムーズに話せることを「英語が話せる」と定義します。
もちろん日記の内容を特定分野に特化させることで、「日常の経験や感情ではなく、特定の分野について自分の意思を表明することができる」という状態も目指せます。
英語日記BOYで解説している手法を丁寧に実践することで、「ライティング」「リスニング」「スピーキング」「リーティング」の力を伸ばすことができます。
英語日記の手順
英語日記BOYで解説されている学習手順の要約です。
- 日本語で日記を書く
- 言いたい内容を日本語で1~2文にする(10秒で言い終わる長さが目安)
- 自力で英語に翻訳する
- ネット上で例文を探し、自力で翻訳した内容を修正する
- オンライン英会話で文章を添削&発音を教えてもらう
- オリジナル英文をノートに整理する
- 英文を口に出して練習。100回
- 復習(日本語を見て即座に英語を口に出す)
詳細な内容については、下記のYouTube動画か、書籍をご確認ください。 一番丁寧に解説されているので、個人的には書籍がおすすめです。
1.日本語で日記を書く
最初から英語で書こうとすると、自分が知っている単語や言い回しのみを使ってしまいます。 それでは新しい表現や語彙を学ぶことができないので、まずは日本語で日記を書きます。
2.言いたい内容を日本語で1~2文にする(10秒で言い終わる長さが目安)
長い文章だと、瞬時に英文を口に出すことはできません。 まずは10秒程度で言い終わる長さを目安に日本語で要約文を作成します。
3 自力で英語に翻訳する
要約した日本語の短い文章を、自力で英語に翻訳します。 このとき「この内容は英語でどうやって表現したらいいんだろう?」という悔しい思いをすることが大切です。 将来英語を話すときに感じる「悔しい気持ち」を先取りし、言えなくて悔しかった感情と紐づけることで、記憶への定着率をあげます。
4.ネット上で例文を探し、自力で翻訳した内容を修正する
自力で翻訳した英文には、必ず不自然な部分が存在します。 インターネットで検索し、より自然な表現かつ自分が言いたかった内容に近い例文を探します。 例文の内容を一部入れ替えることで、自然かつ自分が言いたい内容の英文を作ります。
5.オンライン英会話で文章を添削&発音を教えてもらう
インターネット上の例文を使うことで、自力で翻訳するよりも精度の高い文章になっているはずですが、それでもまだ改善の余地があります。 例えば「この表現は日常的ではない」「最近の若い人は別の言い方をする」など、自分にピッタリと合う内容ではない可能性があります。 そこで、オンライン英会話を活用し、講師に作成した英文の添削をしてもらいます。 添削と合わせて発音のアドバイスもしてもらうことで、自分で作成したオリジナル英文と英文の正しい発音が揃います。
6.オリジナル英文をノートに整理する
英文とオンライン英会話の講師に教えてもらった補足事項をノートにまとめます。 あとから検索できると便利なので、筆者はLINEに英文蓄積用のトークルームを作成していました。
7.英文を口に出して練習。100回
英文を口に出して練習します。 実際の会話の中で英文がすんなりと口から出る確率は、口に出した回数に比例します。目安は100回。 この100回もただ繰り返すだけではなく、下記の3つに分けて実施します。
- スマホの音声読み上げ機能をお手本にしながらシャドーイング30回
- スマホの音声入力機能で発音チェック30回
- シミュレーション独り言40回
8.復習(日本語を見て即座に英語を口に出す)
練習した英文を定期的に復習し、記憶の定着率を上げます。
英語日記の手法にChatGPTを組み合わせる
文章を添削してもらう
前述した英語日記BOYの手法にChatGPTを組み合わせることで、更に英語学習を加速できそうです。 具体的には「5.オンライン英会話で文章を添削&発音を教えてもらう」の部分でChatGPTを活用します。
ここ数ヶ月世間を賑わせている通り、ChatGPTの文章作成能力は非常に優秀です。
関連記事:ChatGPT、Bing AI Chat、Notion AI、Google Bardのデータ利用ポリシーを調べた · kapieciiのブログ
そこで、ChatGPTを活用して自力で作成した文章を添削してもらいます。
例えば、下記のように文章の添削を依頼します。
「あなたは英語学習コーチです。私が作成した下記の文章を添削してください。文法の誤りや不自然な表現があれば、改善内容を提案してください」
オンライン英会話をChatGPTに置き換えることで、電車の中やカフェなど、オンライン英会話が難しい場所でも学習を進めることができます。 「講師と時間を調整することなく、細切れの時間であったとしても自分のタイミングで進められる」というのも大きなメリットです。
ChatGPTでは発音の指摘はもらえません。発音については、スマホの読み上げ機能で代用します。
英語学習コーチをしてもらう
ChatGPTは、コーチとしてもなかなかに優秀です。下記のように依頼することで、専属の英語コーチとして学習をサポートしてくれます。
「あなたは英語学習コーチです。私はこれから英語日記を書いて英語学習を進めます。目標は日常的な会話ができるようになることです。あなたはすばらしいメンターとして振る舞い、辛抱強く、時にはわたしを鼓舞したり褒めたりしながら私の学習をサポートしてください。では、あなたから質問を始めてください。」
この問いかけに対するChatGPTとの会話例です。
私「あなたは英語学習コーチです。私はこれから英語日記を書いて英語学習を進めます。目標は日常的な会話ができるようになることです。あなたはすばらしいメンターとして振る舞い、辛抱強く、時にはわたしを鼓舞したり褒めたりしながら私の学習をサポートしてください。では、あなたから質問を始めてください。」
ChatGPT「素晴らしい目標ですね!では、まずは自己紹介を英語で書いてみましょう。どのように自己紹介をするか、アイデアはありますか?」
私「自己紹介が思いつきません。例文が欲しいです。」
ChatGPT「分かりました。以下は自己紹介の例文です。
Hello, my name is [名前]. I am [年齢] years old and I am from [出身地]. I am currently studying [専攻] at [学校名]. In my free time, I enjoy [趣味や興味があること]. My goal in learning English is to improve my communication skills and be able to have everyday conversations with ease.
和訳: こんにちは、私の名前は[名前]です。[年齢]歳で、[出身地]出身です。現在、[学校名]で[専攻]を学んでいます。趣味は[趣味や興味があること]です。英語の学習目標は、コミュニケーション能力を向上させ、日常会話がスムーズにできるようになることです。」
いかがでしょうか?なかなか良くないですか?
上記のような流れで、ChatGPTに専属英語コーチをしてもらいます。
英語日記に書くネタが無いとき
日記を書く習慣がない人にとっては、毎日日記を書くこと自体が大変です。 「毎日大体同じことの繰り返しなので、日記に書くことなんて無いです」という方もいるのではないでしょうか。
そんなときはこちらの本が参考になります。 英語日記を使った英語学習サービスを提供している講師の2人が、英語日記を継続するコツを紹介しています。
英語日記BOYは著者の新井リオさんが一人で試行錯誤した方法を解説していますが、こちらは大勢の生徒を指導してきた講師の目線でコツを解説しています。 合わせて読むことで英語日記学習をよりスムーズに進めることができるでしょう。
最後に
様々な分野で活用できるChatGPTの可能性はすごいですね。あとは行動して効果を試すのみです。
特に語学学習においては、どんなに優れた方法であっても継続しないことには成果がでません。まずは1ヶ月を目標に、ChatGPTを組み合わせた英語日記を試してみようと思います。