Bing AIを使って英語のスライドを効率的に読む
Sep 17, 2023 21:20 · 1585 words · 4 minute read
暇を見つけてはBlack Hat USA 2023の気になるスライドを読んでいます。
Black Hat USA 2023の気になったセッションリスト · kapieciiのブログ
私は英語を読むのが遅いので、これまでは投下する時間を増やすことで気になる情報のインプットをしていました。 しかし、時は流れて2023年。LLMや生成AIの超絶進化により、以前と比べてかなり効率良くスライドを読めています。
Bing AIをCopilot(副操縦士)として使いながら、英語のスライドを読む方法をご紹介します。
目次
私がスライドを読んでいる方法
私がスライドを読む手順です。
- 気になるスライドをEdgeで開く
- Edge右上のBing AIアイコンをクリックし、
「あなたは優秀なITエンジニアです。新しくチームに入ったエンジニアに、下記URLの内容を解説してください。{URL}」
という形式でBing AIのチャット欄に書き込む - Bing AIが情報を取得して内容を出力するのを待つ間に資料全体をざっと流し見する
- Bing AIが解説してくれた内容を読み、自分の認識している全体像と乖離がないことを確認しつつ、気になった部分を中心にスライドを読む
完全に頼り切って解説してもらうのではなく、Microsoftの言う通り、あくまでCopilot(副操縦士)として使うのが一番パフォーマンスが高いと考えています。
プロンプトの調整について
2023年9月現在、下記の構成を組み合わせてプロンプトを作るのが良いとされているようです。
- 役割を明確にする(例:あなたはOOです)
- 判断に必要な情報を渡す(例:URLなど)
- 何をしてほしいのか?アウトプットの対象や出力形式を伝える(例:要点をまとめて、表で整理してください。)
「前提」「インプットする内容」「アウトプットする内容」を指定することで、期待した情報が出力される可能性が高まります。 このあたりは人間に何かをお願いする場合と同じですね。
ハルシネーション(Hallucination)対策
生成AIの問題点の1つにハルシネーション(Hallucination)があります。 生成AIは「次に続く確率が高い情報をつなげて出力する」という基本構造で動作しているので、確率によっては「あたかも本当のような間違った情報」を出力することがあります。
このハルシネーションの問題を低減するために、下記の方法を使っています。
- 必要な情報を渡す(渡した情報を処理してもらう)
- 「わかりやすく」のような曖昧な修飾子はつけない
必要な情報を渡す(渡した情報を処理してもらう)
インプットする情報をこちらから渡し、渡した情報を処理してもらうことで、間違った内容を出力する可能性を減らします。 今回の例では必要な情報としてURLを渡しています。
「わかりやすく」のような曖昧な修飾子はつけない
明確なデータはありませんが、曖昧で不必要な修飾子をつけると間違った情報を出力する可能性が高くなると感じています。
例えば今回のように英語のスライドの内容を解説してもらうと、「わかりやすく」という修飾子をつけた場合には「日本語の情報もあるので、そちらも参照してください」という一文が追加されました。 「え、本当に日本語版なんてあるの?」と思い「日本語版の情報を教えてください」とお願いすると「日本語版はありません」と回答が返ってきました。
最後に
Bing AIが副操縦士をしてくれるおかげで、インプットがとても効率的になりました。 Microsoftは生成AIの活用に力を入れており、近い将来Windowsのあらゆる機能に副操縦士が組み込まれるようです。 今後のWindowsの発展がとても楽しみですね。