英語のスピーキングテストを半年で伸ばした学習方法
Dec 10, 2023 21:25 · 5188 words · 11 minute read
2023年12月に受験したPROGOS(プロゴス)の英語スピーキングテストで全体的にスコアが上がりました。 前回受験時の2023年7月はCEFR準拠の総合スコアが「A2 High」。今回は「B1 High」でした。
B1 Highは英検で言うと2級相当だそうです。
【2022】CEFR(セファール)の各レベルを解説!主要英語検定試験のスコアに換算すると? - 株式会社プロンテスト
半年間でA2 HighからB1 Highに上がった学習方法をブログに残しておこうと思います。 私は仕事と子育てをしながら無理なく取り入れられる方法を模索し、学習していました。 最近では中学生もスピーキングテストを受けたり、高校受験でもスピーキングテストがあるらしいですね。 私の学習の試行錯誤がスピーキングテストを受ける皆さんの参考になれば幸いです。
目次
テストの結果と前回スコアとの比較
12月のスピーキングテストの結果がこちら。7月の結果と比較して全体的に上昇しました。
「表現の幅」と「流暢さ」が「B2 and above」で高く、前回低かった「正確さ」なども上昇しています。 前回の試験結果で高かった部分は更に上がり、低かった部分は底上げできました。
項目 | CEFR準拠 レベル (7月時点) |
CEFR準拠 レベル (今回) |
内容 |
---|---|---|---|
Range表現の幅 | B1 | B2 and above | 自分自身の興味がある領域では、ほとんどの一般的な話題について、明確で細部に渡る描写をしつつ、重要な論点とその根拠をメリハリをつけて話すことができます。それを叶えるだけの充分な言語表現を適切な言葉の組み合わせを含め使うことができます。 |
Accuracy正確さ | A2 | B1 | よく使われる決まり文句や構文をある程度正確に使えるものの、まだ誤りや母語の影響が目立ちます。 |
Fluency流暢さ | B2 | B2 and above | 話が長く複雑に進展したとしても、自然でスムーズに話すことができるものの、まだ適切な表現や話し方をすぐに見つけられないときもあります。 |
Interactionやりとり | A2 | B1 | 身近な話題や興味分野、日常の出来事(家族、趣味、仕事、旅行、時事など)についての情報交換や自分の言いたいことを表現するために、簡単な言葉であれば幅広く使いこなすことができます。 |
Coherence一貫性 | A2 | B1 | 点在する考えを一列の線となって伝わるようにつなげることができます。 |
Phonology音韻 | B1 | B1 | 発音は概ねわかりやすいです。適切に強調したりイントネーションを使える単語や表現もあります。それでもまだ、母語っぽく発音してしまい訛りのようになっている部分があります。 |
総合評価 | A2 High | B1 High | 自分が興味のある社会情勢について、ある程度スムーズなプレゼンテーションができます 詳細な説明を加えながら、社交的な会話を続けることができます。 |
CEFRとは
CEFRとは、Common European Framework of Reference for Languagesの略称で、言語能力を6段階に分類するための国際的な指標です。 外国語の習熟度を測るために使用されます。
「英語を話せるようになりたい!でも、何ができたら"英語を話せる"と言えるのかよくわからない」
そんな時に「これくらい話せる」という指標に使えるのがCEFRです。
参照: CEFR(セファール)とは?文部科学省が作成した英検、TOEICとの相対表つき (ceburyugaku.jp)
ビジネスや留学をするときに求められるレベル
「これくらい話せる」という指標に使えるテストなので、裏を返すと「OOをするためにはこれくらいを目指そう」という目標設定にも使えます。
例えば、海外の大学では、入学時にCEFRでB2以上を基準としている大学があるそうです。 また、英語でビジネスをする場合、最低でもB2、会議を動かしたり他の仕事をこなすためにはC1、C2レベルが求められるそうです。
参照:
- CEFRレベルについて | PROGOS
- ビジネスシーンにおける「CEFR B2」レベルの価値と到達方法について | 株式会社プロゴス (progos.co.jp)
- 42万人(*1)の受験データから日本人の英語スピーキング力の実態が判明 グローバルビジネスで通用するレベルはたった6% | 株式会社プロゴス (progos.co.jp)
私の学習方法
ここからは私の学習方法をご紹介します。 私の今の生活では机に座ってしっかり学習時間を確保することは難しいので、何かをしながら学習する方法を模索しました。
Netflix
家事や歯磨きなどの時間はNetflixで英語の動画をながら聞きしていました。 Netflixには様々なコンテンツがあり、コンテンツとして面白いので「学習をしている」という感覚はあまり無いです。 調理や片付け、洗濯などと並行して、コンテンツを楽しんでいます。
Podcast
歩いている時や寝る前のストレッチ、調理をしながら英語のPodcastを聞いています。 AppleのPodcastアプリやSpotifyには様々なジャンルの番組が公開されているので、きっとあなたのお好みの番組もあるはず。 私はITエンジニアなので、ソフトウェア開発やサイバーセキュリティに関する番組を聞くことが多いです。
Webラジオ
仕事中に英語のWebラジオをかけています。 内容を真剣に聞いているわけではなく、頭の中を英語で思考するモードにすることが目的です。 仕事場にAmazon echo dotを置いているので、TuneinアプリでFox newsをかけています。 Amazon Echoがない場合でも、スマホアプリなどを使えばラジオを聞けますし、BBCニュースのWebサイトにアクセスするのも良いでしょう。
World Service - Listen Live - BBC Sounds
英語でメモを書く、思考する
仕事で考え事をしたりメモをとるとき、できるだけ英語を使っています。 前述のWebラジオと合わせて、可能な限り頭の中を英語のモードにします。
ChatGPTにサポートしてもらう
メモを英語で書いていると「これ英語でどうやって表現するんだっけ?」となることも多いはず。 自分でどうにか文章を作成し、メモ書きした後にChatGPTに添削をしてもらいましょう。 新井リオさんの英語日記のループを日中に何度も回すイメージです。
ChatGPTで英語日記を使った英語学習を加速する · kapieciiのブログ
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「表現したかったけど、できなかった」という文の型は、自分にとって便利で利用頻度の高い型です。 繰り返しメモを取るうちに、自分にとって便利な型を使えるようになるはずです。
ちなみに、私が良く使っているChatGPTのプロンプトは下記の2つです。
- あなたは優秀な英語トレーナーです。私が日本語の文章を入力した場合は、自然な英文に変換してください。そして、英語の文章で使った単語や熟語の解説をして下さい。私が英語の文章を入力した場合は、文章を日本語訳してください。そして入力した英文に含まれる単語と熟語を解説して下さい。解説は日本語でお願いします。
- あなたは優秀な英語トレーナーです。私が入力した英文に不自然な表現や文法の誤りがあった場合、より自然で正しい文章を提案して下さい。改善した点について、日本語で解説して下さい。
リピーティング
英語を使えるようになるためには、相手が話す英語を聞き取り、そして相手にわかる発音で返すことが必要です。
聞き取るためには、自分の頭の中にある間違った英語の音を正しい音に寄せなければなりません。 例えば日本語のカタカナ英語「アップル」という音を、より英語に近い「アポー」に上書きするイメージです。 自分の頭の中の音を上書きするためにはリピーティング(ものまね)が有効です。音の上書きを積み重ねることで、少しずつ英語の音を聞き取れるようになります。
「本当に?」と思った方は、下記の動画の内容を試してみてください。 11分の短い動画なので、さっと試して効果を体感できると思います。
リピーティングは、お気に入りのYouTube動画やNetflix 動画を教材に使えるので、楽しく続けられるのも良いポイントです。 Netflix の場合は、Language Reactor という拡張機能を使うのがおすすめです。 再生速度の変更や、文頭への移動、文中の単語をすぐに調べるなど、語学学習者の痒いところに手が届く機能が満載です。
オンライン英会話
9月の1ヶ月間、レアジョブでオンライン英会話をしました。 ここまで書いた方法で学んだことを実践投入し、とにかく場数を踏むイメージです。
- 自分が表現したいけど使えなかった型をChatGPTで学ぶ。メモ書きを通して自分の伝えたい内容を文章で表現する。→ライティング
- リピーティングで英語の音を学び、聞き取りと発音をする。→リスニングとスピーキング
- 英語で思考し、日本語の変換を介さずに会話をする。
これらを効率的に練習するために、オンライン英会話のテキストは使わず、ひたすら先生とフリートークをしました。
心理的ハードルを下げる
「知らない人と25分、しかも英語で話すのはハードル高いって!」
と思う方も多いでしょう。 しかしここは割り切ることで少し心理的ハードルが下がると思います。
「相手は英語の先生で、下手な英語を聞くプロ。こちらはお客さんだし、下手くそだから練習のために先生に付き合ってもらっている。遠慮なくプロの胸を借りて練習をさせてもらおう」
という気持ちで臨むと少し気が楽になりました。
それでも「25分も話すことないって!日本語でも無理なのに。。。」という方は、こちらの動画が参考になると思います。
先生の選び方
先生の選び方にもコツがあります。 大抵のオンライン英会話サービスでは、先生の自己紹介や趣味が書いてあります。 趣味を事前に確認し、できるだけ自分と似た趣味の人を選ぶことで、話すネタに困る可能性が劇的に減ります。 私の場合は日本のアニメや日本旅行が好きそうな同年代くらいの男性の先生を選んでいます。
子供と英語で話す
うちの子はYouTubeが好きで、毎日熱心に見ています。海外の子供向けYouTubeを見ているうちに、いつの間にか英語を話せるようになっていたので、日々のちょっとした会話を英語にして、英会話の練習相手になってもらっています。
例えば、おやつを出す前に「I have something good for you~. Guess what?」みたいな感じで話しかけると、楽しそうにノッてきて、英語で返してくれます。
家の中に話し相手がいたのはとてもラッキーだったと思います。 最近だとChatGPTのスマホアプリで音声入力もできるので、ちょっとした独り言や相談相手になってもらうのも楽しいです。
ChatGPTで英語日記を使った英語学習を加速する · kapieciiのブログ
英語の文法書を読む
私の場合は机に座ってしっかりと学習する時間がなかなか取れないので、文法の学習は後回しになりがちです。 テストの結果でも正確さ(文法)の部分が他の項目よりも低いので、電車で移動するときはKindleで文法書を読んでいます。 まだ途中までしか読めていませんが、この本がわかりやすくて気に入っています。
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最後に。折れずに学習を継続する心持ち。
スピーキングテストの結果が順調に良くなっていたので、実践している英語の学習方法を整理してみました。 「子供が中学でスピーキングテストを受けるらしいんだけど、何をしたらいいのかわからないよ」という親御さんの参考になったら嬉しいです。
学習を継続するためには心持ちも大切だと考えているので、最後に心持ちについて書いて締めようと思います。
英語は特別なスキルでもなんでもなく、小さな子供からお年寄り、頭が抜群に良い人から普通の人まで、世界中のあらゆる人が使っています。 口の構造だって私たち日本人とそう変わらないですし、なんだったら同じ日本人でも英語が上手な人はたくさんいます。 というわけで、「英語はやりさえすれば、使う練習さえすれば使えるようになる。世界中でこれだけ多くの人が使えている一般的なスキルなんだから、自分にできないわけがないだろう。」という心持ちで練習をしています。
大谷翔平選手のようなぶっちぎりの才能とたゆまぬ努力をしなくても、使う練習さえすれば普通に使えるようになります(きっと)。
というわけで、ここまで読んでいただきありがとうございました。 この記事があなた自身やあなたのお子さんの英語学習の一助になると嬉しく思います。