HHKBから分割キーボード(M10SP)に乗り換えた

Nov 12, 2023 11:20 · 3028 words · 7 minute read maker hhkb キーボード

かれこれ10年以上HHKB Professionalを愛用しています。 気持ちのいい打鍵感と頑丈さがお気に入りで、飽きること無く、むしろ愛着を増しながら使っていました。

しかし、残念なことに、最近右手の手首に腱鞘炎っぽい症状が出始めました。 腱鞘炎が本格化すると仕事に支障がでます。なんとかここで症状の進行を抑え、そして回復するために、腱鞘炎に良いとされる分割キーボードに挑戦してみました。

目次

今回買った分割キーボード「Majestouch Xacro M10SP」

分割キーボードというと自作キーボードが一般的ですが、「基盤選び」「軸選び」「キーキャップ選び」「マクロいじり」などなど、俗に言う「キーボード沼」にハマるのが怖いです。

今回の目的は「自分にとっての最強のキーボードを作ること」ではなく、「右手首の症状を改善すること」と「キーボードを使ったアウトプットを継続すること」なので、できるだけ沼を避けつつ右手首療養の最短経路を目指します。 というわけで、完成品かつホットスワップ非対応のMajestouch Xacro M10SPを購入しました。

発売して日が浅い製品なのでまだレビューは少なかったですが、老舗キーボードメーカーが作っている製品なので、まぁ大外しはしないだろうという安心感がありました。 また、大手メーカーなのでキーボードを設定するソフトウェアが簡単に使えそうなこともプラスポイントでした。

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配列と軸

今回はUS配列の静音赤軸を選択しました。 購入のきっかけが右手首の腱鞘炎だったので、「エンターキーが横長で手首のひねりが少ないUS配列の方が良いだろう」という理由です。

軸は、一番軽い軸を選びました。 HHKBを長らく使っていたので、軽いキーに慣れています。 キーが重くなると違和感が大きそうなので、スペック上の押下圧がHHKBと同じ赤軸を選択しました。

リストレストを自作する

分割キーボードになったので、これまでHHKBで使っていた自作のリストレストが使えません。 3年前に作った木のリストレストがとても使い心地が良かったので、今回も木材を加工して自作することにしました。

HHKB用のパームレストウッドを自作してみた · kapieciiのブログ

材料

  • 木材
  • ゴム足
  • 台座足
  • 水性ニス

今回は全てダイソーで購入しました。 後述する2パターンの試作品を作りましたが、かかった費用は600円✌ とても財布に優しいので、試行錯誤がしやすいです。

試作品その1、一体型

試作品初号機がこちら。 以前使っていたデスクは天板がダークブラウンだったので、リストレストも色の濃いビンテージワックスを使いました。 今使っているデスクは天板が白系の木目なので、今回はデスクに合わせて白っぽいニスを使います。 また、分割して使うことを想定して、木材は少し長めのものを使っています。

キーボードの高さや押下圧、押した感触が変わったので、ゴム足や台座の足を変えながら快適な高さを探しました。

高さや角度を変えながら好みの高さを探している様子↓

試作品その2、分割型

一体型の長いリストレストも悪くないのですが、リストレストの長さがキーボード間の距離の上限になってしまいます。 せっかく分割キーボードを買ったので、自分にとってベストな距離を探るために、リストレストも分割してみました。

今のところ試作品1と2を行ったり来たりしながら、一番使いやすい組み合わせを探しています。

1週間使った感想

そんなこんなを試しながら、1週間分割キーボードを使った感想です。

良かったところ

右手首の違和感が改善した

右手首の違和感が改善しました。これだけでも今回の試みは成功と言って良いでしょう。

メカニカル軸の進化を体験できた

キーボード沼にどっぷり浸かっている友人から「最近の新しい軸の進化はすごいよ」という話を聞いていました。 HHKBに何の不満も無かったので「ほー、そうなんだ~」くらいで止まっていたのですが、今回静音赤軸を使ったことで「自分の知っている昔からあるメカニカル系の軸」からの進化を体験できました。

ただ、困ったことに、いざメカニカル軸を使ってみると他の軸も気になってきます。 気がつくと、ついついYouTubeで色々な軸の音を聞いてしまう今日このごろです。 キーボード沼の吸引力は恐ろしいですね。 ホットスワップ対応のキーボードを買っていたら、きっと沼に引き込まれていたことでしょう。

タイピング音が静か

今回買った静音赤軸は、その名の通りタイピング音がとても静かです。 以前使っていたHHKBは静音タイプが発売される前の古いモデルだったので、そこそこ大きなタイピング音が鳴っていました。 そのため、オンラインミーティング時には少し気を使いながら優しいタイピングが必要でした。 静音赤軸の場合は、ミーティング中でも音を気にせずタイピングできます。

イマイチなところ

独特なキーマップ

Majestouch Xacro M10SPはFnキーと組み合わせて使うキーマップの癖が強いです。 HHKBのキーマップにすっかり慣れてしまっているので、まだキーマップ操作でミスしてしまいます。 このあたりは慣れの問題で解決できるはず。

打鍵感とキーの重さ

HHKBの打鍵感に完全に慣れていたので、静音赤軸の打鍵感にまだ違和感があります。 また、カタログスペック的には軸の重さは45gで同じはずなのですが、静音赤軸の方が重く感じます。 HHKBの軸は軽いフィードバックがあり、押し込み具合によって重さが変わるタクタイル系だったので、リニア系の赤軸を重く感じるのかもしれません。 これまた慣れの問題だとは思うのですが、一日中キーボードを操作していると、HHKBを使っているときよりも指の疲れを感じます。

反応速度

キーが反応するポイントの影響なのか、それともキーの反発力の問題なのかはわかりませんが、早くタイピングすると誤入力することがあります。 HHKBでは誤入力は発生しなかったので、おそらく私のタイピングの癖と静音赤軸の特性がまだ合っていないのだと思います。

気にならなかったところ

分割スタイル

「分割キーボードを使うと、真ん中あたりにあるキーのタイピングのミスが増える」という話を聞いていました。 幸い私は中学の技術の授業でタイピングを矯正してもらったので、分割によるキータイプのミスはありませんでした。

US配列

HHKB Professionalを買う前にHHKB LiteのUS配列を使っていたことがあるので、US配列は想像していたよりもすんなり慣れました。 10年近くブランクがあっても、意外とすぐに思い出すものですね。

まとめ

Majestouch Xacro M10SPで分割キーボードにデビューしました。 まだ慣れない部分もありますが、まぁそのうち慣れるでしょう。

少なくとも手首が完治するまでは、しばらく使い続けようと思います。

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