Obsidianなどのリンクノートとアトミックシンキング・アトミックノート

Apr 21, 2024 00:10 · 3027 words · 7 minute read 読んだ本

アドミックシンキングとアトミックリーディングを読みました。

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特定ツールの機能に依存しない、知識の整理と思考方法の本です。 活用したい考え方が複数あったので、本書の重要な要素「自分の言葉で説明する」を目的にブログにアウトプットします。

目次

特定のツールに依存しないノート術と思考方法

ObsidianやNotionなど特定のツールに特化した知識整理術やノート術の本はたくさんあります。 ツールの機能をバリバリと使いこなすのもかっこいいですが、本書ではノート同士をリンクできるツールであればどのツールでも活用できる汎用的な方法を紹介しています。

ツール固有の便利な機能解説ではなく、どこでも応用できる汎用的な方法や考え方を学びたい人におすすめの書籍です。

ノート同士をリンクして整理する

従来のノートツールでは、ディレクトリなどの階層構造を使った情報整理が基本でした。 しかし昨今ではノート同士をリンクするタイプのツールが増えています。

  • Obsidian
  • Logseq
  • Scrapbox など

人間の脳は、階層型ではなくリンク型で情報を整理します。 何かを思い出すときも階層構造で情報を検索するのではなく、情報のつながりから特定の記憶を思い出します。

例えば「未来からきた青い猫型ロボット」という言葉から某猫型ロボットの映像が思い浮かぶでしょう。 そしてお腹にポケットがあったとか、尻尾が赤いとか、他にどんなキャラクターがいたかなどを連想して思い出すのではないでしょうか。

人間の脳と似た仕組みでノートを整理することで、特定の情報を引き出しやすく、そして活用しやすいノートになるのではないでしょうか。

1つのノートに記載する情報の単位

1つのノートには1つの情報を記載します。アトミックリーディングとアトミックシンキングではこれを「アトミックノート」という単位で表現しています。 1つの事柄についてそのノートだけで情報が完結しており、そのノートを読むだけで理解できるノートがアトミックなノートです。

アトミックなノートを作るメリット

ノートをアトミックにするためには、ノートに記載する事柄を理解し、背景情報を含めて自分の言葉で説明できる必要があります。 自分の言葉で説明できるということは、ノートに記載する事柄について誰かに説明できるくらい理解している状態であり、この状態になった知識は様々な場面で応用できます。

例えば料理についてのノートを書く中でメイラード反応(要は焦げ)について書いた場合、この知識は料理の香ばしさや旨味を出すテクニックとしても使えますし、料理以外の理科的な内容でも使えます。

アトミックな状態のノートは他の知識と連結しやすいので、知識同士の連結が加速します。 一つの事柄を多くの知識と連結することで、その事柄に対して様々な角度からアプローチできます。そして記憶への定着率も高まります。

トピックノートとリンクでノートを整理する

リンクを使ってノートを整理するときは、トピックノートを使います。 トピックノートは、作成した個別のノートをトピックごとにまとめたノートです。

トピックノートを使うと、個々のノートを複数のトピックの中に存在させられるというメリットがあります。 これは階層型のノート管理には無いメリットです。

例えば坂本竜馬についてのノートがあった場合、幕末というくくりのトピックノートや土佐藩というトピックノート、思考方法や行動様式についてのトピックノートに含めることもできるでしょう。

一つの事柄は多くの側面を持っています。様々なトピックと結び付けて整理することで、階層構造よりも豊かな表現で情報を整理できます。

「階層構造を使わない場合、ノートの検索性が落ちるのでは?」と気になるかもしれません。しかし、ノートの単位とタイトルがアトミックであり、トピックノートに整理された状態であれば検索性は問題にならないでしょう。

トップダウン型の整理とボトムアップ型の整理

ディレクトリなどの階層構造によるノート整理の場合、最初に階層を作り、その後適切な場所にノートを収めます。これはトップダウン型の情報整理です。 対してトピックごとにノートを連結する場合は、最初にノートを作ってからノートをリンクして整理するボトムアップ型の情報整理です。

何かを新しく学ぶとき、最初から階層に必要な体系化された知識がある状態でスタートすることはまずありません。 知識がない状態であてずっぽうの階層を作ったとしても、そう遠くないうちに階層を使ったノート管理は破綻するでしょう。もちろん知識の増加に合わせて階層を新規作成し、個々のノートを移動するという手もありますが、結構面倒ですし柔軟性がありません。

ボトムアップ型の場合は個々のノートに知識を整理し、作ったノート同士をトピックノートで連結することで情報を整理します。 自分の知識の拡張に合わせてトピックノートを拡張していける柔軟性が強みと言えるでしょう。

覚えているというのはどんな状態か?

例えば「本の内容を覚えている」という状態は、本に書かれた文章を暗唱できる状態とは違うはずです。 本の内容について理解し、自分の言葉で誰かに説明できたり、自分の知識として使える状態を「本の内容を覚えている」と定義していると思います。

本についてアトミックなノートを作り、それらをトピックノートで整理することで、本の内容を覚えている状態になります。

ノートを書く練習

「ノートを書くメリットはわかった。でも文章を書くのが辛いんですよね。」と感じる人もいるでしょう。 そんな人向けにノート作成の基礎となる、文章を書くトレーニング方法とステップが紹介されています。

  1. フリーライティング
  2. 事実と推測を分けた日記
  3. 読書メモ

フリーライティングは、思いつくままに思考を書き出す練習方法です。普段は形がないまま過ぎ去って消えてしまう思考を文字の形で残す練習です。 この段階では文章の破綻や誤字などは一切気にせず、ただひたすらに頭に思い浮かんだ内容を文字にします。

フリーライティングで文章を書くことに慣れてきたら、事実と推測を分けた日記を書きます。

最後に多くの人の思考や知識、情報が詰まった本についてアトミックなノートを作ってノート同士を連結します。

最後に

アトミックシンキングとアトミックリーディングで学んだことを、自分の言葉で説明してみました。 これらの書籍を「面白そうだ」と感じてもらえたら嬉しいです。 Kindle Unlimitedに入っている方は追加料金無しで読めるので、よければ読んでみてください。

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「アトミックシンキング」と「アトミックリーディング」に続く「アトミックシリーズ」の本は今後も出版される予定らしいです。 年に1冊のペースで出版を予定しているようですが、出版まで待てない方は著者のごりゅごさんが更新しているナレッジスタックで書籍化前の最新情報を追いかけるのも良さそうです。

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