無料教材を使ったシャドーイングで英語のリスニングを強化する
Sep 11, 2022 22:45 · 3488 words · 7 minute read
先日開催された「OWASP Global AppSec APAC 2022 Conference」への参加をきっかけに、英語学習の熱が上がりました。
2022年8月の振り返りと2022年9月の目標 · kapieciiのブログ
というわけで、今週は「今の自分の生活に合わせつつ、効率よく学習を進めるにはどうしたらよいか?」の試行錯誤をしていました。
試行錯誤の結果、なかなか良いの学習スタイルができたのではないかと思うので、ブログに残しておきます。
無料で使える教材とツールを組み合わせた方法なので、「シャドーイングを試してみたい」という方が一歩を踏み出す助けになるのではないかと思います。
目次
- 英語を学習する目的を明確にする
- 英語の音とリスニング
- シャドーイングで英語の音を英語話者に近づける
- シャドーイング用の無料コンテンツ
- リスニングができるまでの時間を試算する
- 忘却曲線の仕組みを活用しながら効率的に復習する
- 最後に
英語を学習する目的を明確にする
目的を明確にしておくことは、とても大切です。明確にしておくことで、目指す場所に最短距離で向かうことができます。
スポーツの練習に例えると、野球を上手になりたい人が「スタミナが必要だから」とフルマラソンの練習をしても効率が悪いですよね。
というわけで、まずは学習で目指すゴールを明確にします。
ちなみに、私が学習する目的は下記の通りです。「無料コンテンツでシャドーイングする方法を知りたい!」という方は目的部分は読み飛ばして下さい。
学習する目的1英語でインプットしたい
YouTubeには有益なコンテンツがたくさんあります。
何か新しいスキルを身につけたいと思ったとき、文字よりも情報量の多い動画で学ぶことで効率よくインプットできます。
直近だと、Blenderを使った3DCG制作に挑戦したのですが、書籍を読むよりもYouTubeを見ながら操作する方が効率よく学習できました。
Blenderを使うときの初期設定メモ · kapieciiのブログ
YouTubeには日本語のコンテンツもありますが、英語のコンテンツは日本語の何倍もあります。
コンテンツが多いということは、競争原理が働いて優良なコンテンツも多くなりす。さらに、まだ日本語になっていない内容を解説するコンテンツも多くあるでしょう。
YouTubeだけでなくUdemyでも、日本語と比較した英語のコンテンツ量は圧倒的です。
というわけで「英語でインプットできると、新しいスキルを学びたいときに圧倒的に効率が良くなる」と考えました。
学習する目的2子供の問いかけに英語で返したい
うちの子供はYouTubeが好きで、毎日見ています。
「どうせ見るなら、英語の動画を見せてみるか。英語に親しんでおくと、将来役に立つかもしれないし。」ということで、英語を話すキッズYouTuberや、英語のアニメを見せていました。
そんな生活をはじめて早数年。いつの頃からか、子供が英語で話しかけてくるようになりました。
せっかく子どもが英語に興味をもってくれているので、この機を逃すことなくスキルを伸ばしてあげたい。
そのためには、自分が会話のキャッチボール相手として英語で返す必要があります。
しかし、今の自分の英語の能力では、子どもをうまく導きながら返してあげることができません。
子どもは英語のYouTubeを見ているだけなので、大人が本気出して効率よく学習をしたら、きっと子供を上回るスピードで成長できるはず。
そして自分が成長したら、上手にエスコートしながらキャッチボールもできるはず。
義務教育のおかげで、基本的な文法や単語を知っているというアドバンテージもあります。
というわけで、妻とともに英語のトレーニングをすることにしました。
英語の音とリスニング
英語の動画でインプットする場合も、子どもと会話のキャッチボールをする場合も、まずはリスニングの能力が必須です。 相手の話す内容を理解しないことには、次に進むことができません。
義務教育で長い間英語を学習したので、ある程度英語の読み書きができる人は多いはず。
しかし、いざ映画などで英語を聞くと、知っている単語や文法だとしても全く聞き取れない人も多いのではないでしょうか。
聞き取れないのは、自分が覚えている英語の音と、英語話者の発する英語の音が全く違うことが原因です。
つまり、自分が覚えている英語の音を上書きして、英語話者の話す音に近づけることができれば英語を聞き取ることができるというわけです。
「本当に?」と思った方は、こちらの動画を御覧ください。 「音を近づける」というトレーニングの効果を実感できると思います。
シャドーイングで英語の音を英語話者に近づける
自分が間違えて覚えている英語の音を上書きするためには、シャドーイングが有効です。
何かを覚えるときには、できるだけ五感を多く使うと記憶の定着率が高くなります。
受験勉強で、五感を複数組み合わせながら暗記した人も多いのではないでしょうか。
「目で見て暗記をするよりも、書いて手を動かし、声に出して口を動かし、耳で音を聞くほうが早く覚えられて忘れにくい」というやつです。
シャドーイングをすることで、五感を使いながら効率よく自分の記憶を上書きできます。
シャドーイング用の無料コンテンツ
シャドーイングに使えるコンテンツはYouTubeにたくさんあります。 いくつか見て、自分にあった難易度のものを使うと良いでしょう。 私と妻はRupa senseiの動画でシャドーイングすることにしました。
アニメが好きな人は、アニメを使ったコンテンツを使うといいでしょう。
特定の単語について学習したい場合は、PlayPhrase.meというサービスで狙った単語が使われている動画を探すことができます。
PlayPhrase.me: Site for cinema archaeologists.
PlayPhrase.meの使い方はこちらの動画を御覧ください。
リスニングができるまでの時間を試算する
先が見えない中で闇雲に学習を進めるのは辛いですよね。 どれくらい時間がかかるのか試算してみましょう。
日常的な英語で使われている英単語は350語と言われています(諸説あり)。 1単語のシャドーイングにかける時間を5分として、毎日25分5単語を練習すると、約2ヶ月半である程度の日常会話が聞き取れる計算です。 この記事を書いているのが2022年9月中旬なので、2023年になる頃には英語がある程度聞こえるという体感を得られるはず。
新しいスキルの習得を目的としている場合は、「基礎的な英単語」に加えて「インプットする分野に特化した英単語」の音も覚える必要があります。 例えば、私の場合はITや情報セキュリティの内容を見聞きすることが多いので、この分野に特化した英単語のトレーニングが必要です。 目指す内容に合わせて、分野に特化した単語の数も加えて試算します。
セキュリティエンジニアのための English Reading
忘却曲線の仕組みを活用しながら効率的に復習する
せっかくトレーニングした内容は、できるだけ忘れたくないですよね。そんなときに便利なのが「Anki」というツールです。
その名の通り暗記することに特化したツールで、人間の忘却曲線の特性を活用してベストなタイミングで復習させてくれます。
このツールには、世界中に多くのファンがいます。ファンの数がこのツールの効果を証明しています。
そんな便利なツールが、なんと無料!(※)
Webアプリ、androidアプリ、iOSアプリ、Windowsアプリ、Mac、Linuxアプリがあるので、ご自身の環境に合わせて使うことができます。
※iOSアプリは有料ですが、iOSのブラウザからWebアプリを使うと無料で利用できます。しばらく使って気に入ったら有料アプリを購入し、開発を支援してもらえると嬉しいです。
最後に
無料で使えるアレコレを組み合わせて英語のリスニングをトレーニングする仕組みを考えました。
当面の目標は2022年中に頻出350単語のトレーニングを終えること。ここで頑張っておくと今後の人生に有利に働くと思うので、継続&習慣化してやっていきます。
英語が苦手な人が多い日本でそれなりに英語が使えると、それだけで職業選択の自由度が増し、生涯で得られる収入も上がるはず?